2010'06.22.Tue
なんか、二人の戦闘スタイルについて、悶々と考えてできたSSです(笑)
この前更新した、漫画とちょっと繋がっとります。
しかし喜助はこんな無謀な戦い方をするかなあ~・・・。
平+浦と平浦の違いがわからない・・・うげげ。
平浦と言い張ります、平浦!
でも、とりあえず戸魂界にいた頃は本格的にくっついてない(笑)
十二番隊舎の、討ち合いの場にも使われる敷地で、
刀を構えて浦原は平子と対峙していた。
それなりの理由もあるが、相手の膝を折らせた方が勝ちという以上これは勝負。
「なんやねん、あいつら、全然うごかんやんけ」
構えてはいるのに、どちらも一向に動こうとしないことに、
十二番隊舎の廊下から眺めていたひよ里が痺れをきらす。
「おまえらあっ、ちゃちゃっと動けやあっ」
外野から飛んだ野次に浦原は平子を見つめながら笑う。
べつに睨み合っているわけではなく、
どちらも相手の間合いを見計らっているのだが、
お互い同じ考えなのか一向に進展していないのは確かだ。
「ああ言ってますけど」
平子は解放した逆撫をくるりと回す。
「お前が動くんやったら、俺も動くわ」
平子がそういうならそうなのだろう、
平子は恐ろしいくらい慎重で、辛抱強い男だ。
間違っても焦って動くようなことはない、短い付き合いだがそんな気がする。
なら待っていても仕方がない。
「じゃ、お言葉に甘えて」
浦原は紅姫を持ち直すと、一気に間合いを詰める。
とっとっと、と浦原の駆けた軌跡に土煙が立つ。
平子はまた逆撫を一回しして、刀を握り締めた。
と同時にぶつかり合う刃。横から切り込んだ浦原を、平子が上段に構えて受けとめる。
「お、もっ」
ずしんと利き腕に響く衝撃に平子は両手で柄を握る。
そのせいで隙のできた脇腹を浦原のこぶしが狙う。
しかしそれは羽織を掠めただけに終わった。
平子が、浦原の気が刀から逸れたのを利用して、逆撫に掛ける力を殺していなし、
間一髪、間合いを取ったからだ。
「あっぶな、自分、容赦ないなあ」
またくるりと刀を回して、平子が言う。
「っていうわりには余裕っスね」
「そないなことないで、見てみい、冷や汗かいとる」
そう言って大げさに額を平子を拭うのに疑いの眼差しを向けながら、
浦原は先ほどの手応えを確かめる。
力ではもちろん浦原が勝っていた、
隊長歴は劣るとはいえ、
これでも二番隊にくる荒くれ者の異分子を拳で黙らせてきた男だ。
しかし押し切っても平子が躱すだろうことは、
一太刀を受けとめた俊敏さと、
一瞬の判断で浦原との力の差を計り両手で持ち直した洞察力で、予測できる。
だから刀よりも振りの短い打撃を食らわせようとしたが、
結果は御覧のとおり。
(舐めてた、っていうわけじゃないんスけど・・・)
浦原の中で平子の戦闘力が未知数だった、
そして実際、手合わせをしてみてその実力が予想以上だったのも事実。
それに先ほどからくるりと刀を回す平子の仕草も気になる。
癖なのか、それとも。
「なんやあ、しまいか?」
時間にしては短かったが、浦原の考えを遮るように平子が言う。
「まさか、これからっスよ?」
それににっこりと笑顔で答えた浦原は汗ばむ手で、紅姫を握りなおした。
浦原も平子も刀を振る傍ら、相手の余裕を引っ掻き回すことを考えている。
同じなら、この勝負、焦った方が負けだろう。
問題は平子からどうやって余裕を奪うか。
浦原は駆ける、駆けて再び刀を振るった、次は真正面から。
またくるりと刀を回してから、平子は焦る風もなく受け止める。
きしきしと硬質な音を立てて、逆撫と紅姫の刃が剃りあう。
力の重みに平子の刀が徐々に傾いでゆく。
(・・・っ!?)
しかし平子を押し切る前に、浦原は自ら刀を引く。
それから数歩間合いを取った。
あのまま押し切れば、平子は避けるだろうが、
その体勢を崩すことくらいはできた。
けれど、そうしなかったのは、
(なんスか、今の…一瞬した、あの香みたいな、いや、それよりももっと強烈なにおい・・・)
くらりと目眩がする。
浦原は隠密鬼道の出だ、
隠密鬼道の人間は拷問にかけられてもいいように、
ある程度の薬には耐えられる体をしている。
にも関わらず、これほどの影響。
平子の手でくるりと回る逆撫、それが目に映って、ああ、と浦原は思う。
先ほどからしきりに回される刀、
いつの間にか空気に混じる香のような匂い、
(もしそれが斬魂刀の力だったら…)
即座に浮かび上がった可能性に、全ての辻褄があう。
ぐにゃりと一度、視界が歪む。
「どないしたんや?」
平子が笑う、綺麗な歯並びが歪む。
浦原は瞼を閉じる。
匂いがきっとこの目眩の原因だろう、なら嗅がなければいい。
「なんにも、ないっス」
次に目を開いた時、視界はクリアだ。
「そーか、じゃあ次は俺から行くわ」
平子はやや目を見開いてからそう言って、地面を蹴る。
斜めから振るわれた刀を受けとめる。
浦原の右腕に伝わる、攻撃にしては軽すぎる衝撃。
(陽動…っ)
浦原がそう思ったとおり、
平子は刀をいなし身を翻すと浦原の顔面に向かって裏拳を仕掛ける。
だが間一髪、浦原は上体を反らしてそれを避ける。
ついでに刀をぶつけて、間合いを取った。
「簡単には当たってくれんなあ」
暢気な声に、浦原はにっこりと笑って応える。
自分も平子も、余裕があるようでない、ないようである、そんな感じだ。
浦原も超人ではないから、そろそろ持ちそうにない。
それなら次が勝負、と浦原は下駄の花輪を足の指で三回、きつく挟んだ。
(まさか、平子サン相手にこれを使うことになるなんて思ってもみなかったスよ・・・)
霞みはじめた頭でそう思い、紅姫を構える。
一瞬、怪訝な目をした平子も、それを合図に浦原との間合いを詰める。
一撃目、受けとめ凪ぎ払う、弾かれた逆撫が、次は上段から。
それを中腰で受け止めて、勢いを殺し、紅姫を引く。
間合いを取る、一歩、二歩、
三歩目でぐにゃりとまた視界が波打つ。
「なんや動き、おそなっとらんか?」
平子がそう言うと、後退する浦原を追い掛けるように間合いを詰める。
確かに浦原の速度は明らかに落ちていて、
四歩目にはもう、平子はすぐ近くに来ていた。
そして五歩目。浦原との間合いを完全に詰めた平子が逆撫を振り上げる。
けれど当たる直前、ぴたりと止まった。
がくんと平子が膝を折る。
「おま、え、喜助っ・・・、何しよった」
その姿を、霞む意識でようやく見て、浦原は息を吐いた。
「ちょ、と、しびれ、薬を、ひゅ、こほっ」
そこまで言って、急激に入った酸素に、ひどく目が回る。
逆撫の匂いを吸わないために、息を詰めていたからだ。
ぐにゃぐにゃと平子が歪み、反転し、また戻る。
「うっ・・・ぼくも、も、限界・・・」
ぐらりと瞬く間に暗転する意識の中で、「喜助っ」と叫ぶ平子の声がした。
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