2010'05.24.Mon
下にSSです。
昼下がりにだらだらしている二人、幸せについての話が脱線しました(笑)
男の人って幸せについて考えるのかな、とか思いながら・・・、
どうも幸せを追い求めるのは女性の役目のような気が~。
『きっとお前を幸せにする…約束するよ』
正午過ぎのこのテレビ番組は、主婦をターゲットにしたドラマだ。
半年前からつづいていた、この番組も今日で最終回。
半年前からつづいていた、この番組も今日で最終回。
浦原商店で昼飯を食べ終えて、だらだらとくつろぎながら何となくそれを見ていた平子は、
同じく向かいに座っている浦原に聞いた。
「幸せってなんなんやろなあ…、」
浦原は飲んでいた湯飲みを置いて、きょとんと平子を見る。
浦原は飲んでいた湯飲みを置いて、きょとんと平子を見る。
「珍しいッスね、そういうの、あなたが言うなんて」
「あんま得意ちゃうねん」
ひらひらと手を振ると、浦原が笑う。
「そう言えば58年くらい前に「なんで俺、生きてんねん」みたいなこと、」
「いらんこと思いださんでええて、で、どう思う」
ひらひらと手を振ると、浦原が笑う。
「そう言えば58年くらい前に「なんで俺、生きてんねん」みたいなこと、」
「いらんこと思いださんでええて、で、どう思う」
恥ずかしいことを蒸し返されて、平子は早々に話を戻した。
「僕もよくわかんないですが…、人間は死後の世界を知らないっスから、
現在や未来に「幸福」っていう価値を持たせたいのかもしれないっスね」
「僕もよくわかんないですが…、人間は死後の世界を知らないっスから、
現在や未来に「幸福」っていう価値を持たせたいのかもしれないっスね」
浦原は目を彷徨わせて、時に瞼を伏せながら答えるのを、
ちゃぶ台にある茶缶から自分の湯飲みに茶をいれながら平子は聞いた。
湯飲みの中で揺れる茶の色は先ほどから湯を足しすぎたせいか、出涸らしになっていて、薄い。
「死神の女にあないな台詞ゆうたら、すぐばいばいやけどなあ」
男よりも強かな女の身内を思い出して、平子は口が裂けても言えないなと思っていると、
「言ったことないスか?」
と浦原が平子を見つめた。
「…さあなあ、おぼえとらんわ」
湯飲みの中で揺れる茶の色は先ほどから湯を足しすぎたせいか、出涸らしになっていて、薄い。
「死神の女にあないな台詞ゆうたら、すぐばいばいやけどなあ」
男よりも強かな女の身内を思い出して、平子は口が裂けても言えないなと思っていると、
「言ったことないスか?」
と浦原が平子を見つめた。
「…さあなあ、おぼえとらんわ」
遠い昔、女の耳元でそう囁いていたこともあった気もするが、思い出せなかった。
浦原の顔が少しむっとなる。
「なんや、拗ねたんか」
「なんや、拗ねたんか」
「拗ねてないスよ」
言うと、浦原はむっとした顔を引っ込めようとした、
けれど引っ込め損ねたのかどこか寂しげな顔になる。
それから溜息にも似た吐息がひとつ、観念したように小さく微笑んだ。
「ただ、なんスかねえ、むしょうに…ほら、あれ、
子供向けのアニメにあるタイムマシンでしたっけ、
言うと、浦原はむっとした顔を引っ込めようとした、
けれど引っ込め損ねたのかどこか寂しげな顔になる。
それから溜息にも似た吐息がひとつ、観念したように小さく微笑んだ。
「ただ、なんスかねえ、むしょうに…ほら、あれ、
子供向けのアニメにあるタイムマシンでしたっけ、
あれを作りたくなりました」
伏せた目で平子を、さらにその向こうにある何かに思いを馳せるように浦原は見つめる。
その眼差しに、じわじわと何かが溶かされていくような気がした。
「なんでや?」
これ以上ないくらい柔らかい気持ちになって、
これ以上ないくらい柔らかい気持ちになって、
何となく答えに気付いていたが、あえて聞いた。
「もしかしたらの話ッス、…昔のあなたの顔を見て、声を聞いて、
…ありゃ、そういえば髪の毛ってその時から長かったんスか?」
夢物語みたいな話をぶつんと途中で終わらせて、浦原は平子の髪を見た。
もう少し聞いていたかったが、平子は昔の自分をたぐり寄せる。
「もしかしたらの話ッス、…昔のあなたの顔を見て、声を聞いて、
…ありゃ、そういえば髪の毛ってその時から長かったんスか?」
夢物語みたいな話をぶつんと途中で終わらせて、浦原は平子の髪を見た。
もう少し聞いていたかったが、平子は昔の自分をたぐり寄せる。
「あ~、今くらいちゃうか?」
そういえば今の自分は子供時代と同じ髪型をしているんだなと気付く。
「そのころもおかっぱスか?」
可笑しかったのか浦原が笑いながら聞き返してくるので、でこぴんの刑に処した。
こつん。
「そのころもおかっぱスか?」
可笑しかったのか浦原が笑いながら聞き返してくるので、でこぴんの刑に処した。
こつん。
「いたい…、ちょっとは手加減してくださいよ、もう」
浦原のクレームは放って置いた。
浦原のクレームは放って置いた。
「まあ、でもそん頃の俺はめちゃくちゃ純情の固まりやったからな…、
お前みたいな悪い大人にはよう近寄らんよって」
お前みたいな悪い大人にはよう近寄らんよって」
あの頃の自分が浦原の節操のなさを知ったら、目玉が飛び出すに違いない。
「じゃあ、僕から近付いていきますよ」
額を少し赤くさせながら浦原がにやりと笑った。
「あほか、子供の逃げ足、舐めんなや」
もしそうなったら簡単に捕まえられてしまうような気がして、張り合うみたいに答えてしまう。
すると浦原はじゃあ、といやらしい笑みをふと緩めた。
「待ってます、あなたが近付いてきてくれるまで、」
そう小さく微笑まれて、平子の中にあった張り合いが泡みたいに溶けた。
「お前が我慢できるんかい」
自分に対して辛抱強く待っている浦原というのが可笑しくて、笑いながらからかうと、
浦原も笑いながら答える。
「あんまり長くは無理ッスよ」
浦原も笑いながら答える。
「あんまり長くは無理ッスよ」
だから、と唇が続ける。
「早く、近付いてきてくださいね」
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